無知は残酷 ~色素性乾皮症の話
今日、「第35回民教協スペシャル おひさま家族 〜りんくん一家10年の記録〜」という番組を見ました。
御覧になった方は、いらっしゃるでしょうか。
たまたまつけていたテレビでやっていたのですが、衝撃を受けました。
これは、「色素性乾皮症」という病気の少年とその家族の、10年間を記録したドキュメンタリー番組です。
「色素性乾皮症」とは、日光(紫外線)に過敏に反応してしまうため、皮膚が乾燥したり、ただれたり、ひどい時は火傷のような状態になったり。
また高い確率で皮膚がんを発症してしまうという、難病です。
さらに皮膚だけの問題では終わらず、言葉が不明瞭になったり、身体のバランスが取れなくなったり、といった神経症状が出現することもあります。
10歳頃から、神経・知能・身体機能においてどんどん悪化していき、短命の場合もあるという大変怖い病気です。
番組の中では、この病気の少年を連れて、家族で公園に行くシーンがありました。
少年は、紫外線を防ぐために帽子をかぶっているのですが、それは「みつばち帽子」のような形をしているため、周りの子供たちが
「何だ、あの変な帽子~!」
「蜂だ、蜂だ!」
と言って、笑いながら大声で囃し立てるのです。
その様子を見て、少年のお母さんが悔し涙を流しておられ、私も本当に胸が締めつけられて、思わずもらい泣きしてしまったのですが、一方で、この場面には大変考えさせられました。
笑った子供たちも、ひどい悪意があったわけではなく、単に自分たちとは異質の、「変わった」帽子に、ある意味素直に反応していただけだと思うんですよね。
そのことで、誰かがものすごく傷ついていることに、全く気付いていないわけです。
そこで、私がつくづく感じたこと。
無知って、残酷だなあ・・・
もし、自分の周りに同じような病気の人がいれば、多分笑わなかったと思うんですよ。(わかんないけど。そう信じたい。)
LGBTだとか、いろんなマイノリティも然り。
もし、周りにそういう人がいて、いや実際にいなくても、そういう知識があれば、もうそれは「異質」でも何でもない。
そうしたら、笑ったり馬鹿にしたりできないんじゃないかと思うんです。
なんてことを、考えてしまいました。
私は、そんな無知な人間になりたくないな~。
こんな初老だけど、もっともっと勉強して、いろんな世界を知り、できれば人の痛みがわかる人間になれたらいいな。
それはそうと、政治家さんたちの暴言や失言。
ほんと、あきれますね。やっぱ、
彼らが一番、無知やで。